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2010年4月30日 (金)

ブラックモンブランの記憶など。

三年位前に当時の職場近くのローソンで九州名物フェア的なものを地味にやっていた。佐賀県出身でユニクロのブルドッグソースのロゴTシャツを愛着し谷村有美ファンでカレー通というイカした若者がいたのだが、彼の猛烈推薦により、たまたまそこで売っていたブラックモンブランというアイスキャンディーを買ってみたのだ。

見た目は他メーカーからも出ているクランチチョコ系のそれと大差ないのだが、中のミルク味がクリーミーで最高なのだ。これはかなり気に入って、その後も何度か食べた。しかし、そのフェア的なものが終了して以降、食べることができなくなってしまった。九州限定商品らしいから。

ローソンのフェア的なものでは、他に氷いちご的なかちわりを袋に入れたみたいなやつと、もう1種類何か別のアイスが売れれていたような気がする。先述の佐賀出身ナイスガイによると、同じメーカーから出ているミルクックというのもかなりイケるらしいのだが、それは売っていなかった。

ちなみに私の妻は福岡県出身なのだが、ブラックモンブランのことは知らなかった。まあ、地元を離れてからもう数十年が経過しているため、それも当然なのかもしれない。しかし、氷いちご的なかちわりを袋に入れたみたいなやつのことはよく覚えていて、農作業の合間などにみんな食べていた、などと語っていた。

それから数ケ月後のことだ。当時、私はある10代の少女歌手の魅力にみるみるうちに引きこまれており、彼女の過去のラジオをすべて聴いたり写真集を買ったりするだけでは飽き足らず、ぜひとも彼女を育んだ地元の空気をも体験してみたいという誘惑に抗うことができなかった。そして、別件の視察を口実に、彼女の故郷である山口県をちょいと訪れてみたのである。それ自体がかなり感動的な体験だったのだが、それはそれはひどく暑い日だったのである。

彼女の生活圏にほど近かったと思われる場所にローソンがあり、喉を潤す何かを求めて入店したところ、なんとあのブラックモンブランが普通に売っているではないか。九州限定ではなかったのか。家族旅行の本とかが九州のものが多かったりと、どうも文化圏的にこの辺りは九州に近いような印象も受ける。福岡のテレビも受像可能だという。地元で食べるブラックモンブランは、これまた格別であった。そして、どうやらこのアイスキャンディーは地元のキッズ達からかなり絶大な支持を得ているという情報を先述の佐賀出身のナイスガイから聞いていたため、ひょっとすると彼女も子供の頃にこれをよく食べていたのではないかという妄想が自然と広がっていったのである。

当時、彼女はテレビにもあまり出ることがなく、ブログなどもまだ初めていなかったため、その数少ない情報の断片を妄想で埋め合わせるという作業がなかなか楽しかったものだ。そして、共通体験が少しでもできるならば、それはひじょうに嬉しいことであった。

その後、別件を装って数回この地域を訪れたのだが、その度にブラックモンブランを欠かさず買って食べている。ホテルの部屋だったりTSUTAYAとマンガ倉庫の間の駐車場だったり、シチュエーションはいろいろだったが、何度食べても安定したおいしさが嬉しかった。これを食べるとここに来たという気がしていた。

彼女が出演しているテレビ番組は極力見るようにしているのだが、妻にファンであることがあまりクローズアップされないように、自宅にいる時は携帯電話機のワンセグ機能でこっそりと見ている。今年もたくさんいろいろな番組に出ているが、数ケ月前に「秘密のケンミンSHOW」への出演があった。そこで、九州出身の他の出演者がブラックモンブランのことを熱く語り、他の九州出身の共演者も激しく同意していた。彼女はこれについてコメントすることこそなかったが、共演者が話している時に大きくうなずいていた。

彼女は少女歌手グループの一員としての活動もしているのだが、先日、コンサートツアーで福岡県を訪れた。グループには福岡出身のメンバーもいて、ファンの間では地元で行われるコンサートを凱旋コンなどと称し、特別な意味を持つものになっている。その福岡出身のメンバーもブログを最近始めたのだが、その中でブラックモンブランのことが取り上げられていた。コンサート会場の楽屋に用意されていたというのだ。そして、写真ではこのメンバーではなく、私がお気に入りのメンバーがブラックモンブランを手に持って写っている。これで彼女とブラックモンブランとの関係性がかなり明白になり、わざわざTwitterから1年以上ぶりに呟いてみるぐらいに感動した。

そして、今日の彼女自身のブログでは、はっきりとブラックモンブランに言及している。曰く、「地元山口のコンビニにもブラックモンブランがあって、しょっちゅう食べてたの♪♪」「兄弟みんな、ブラックモンブラン大ッ好きで(≧∇≦)」「バニラアイスにクランチのチョコでコーティングされてて、シンプルな味なんだけど、思い出の味なので、感動するものがぁりました(T_T)」。写真では彼女がクランチたっぷりのチョコアイスを食べている。感動である。約三年間に渡って温めてきた妄想がついに現実として認識された瞬間だ。

ちなみにブラックモンブランは佐賀県の竹下製菓という会社から発売されている。ホームページを見ると、フルーツモンブラン、グリーンモンブラン、ビターチョコモンブランといったシリーズ商品もあるようだが、山口のコンビニではブラックモンブランしか見たことがない。ちなみに、商品名についてだが、ケーキのモンブランとは一切関係がなく、竹下製菓の当時の会長がアルプス山脈の最高峰モンブランを訪れた際に、「あの山がアイスだったら…。チョコをかけて食べたらうまいだろうな」と思い、アイスクリームの最高峰を目指そうという意味で付けられたものらしい。昭和41年誕生のベストセラーだという。

ブラックモンブラン

このブラックモンブランを何とか東京で買える所がないものだろうかと調べてみたところ、横浜市栄区の小岩井商店なるお店で買えるという情報を見つけたのだが、一昨年のものなので現在も可能かどうかは定かではない。以前にはスーパーのサミットで売っていたということなのだが、現在はもう扱っていないらしい。また、一時期、セブンイレブンで売っていたこともあったが、東京のコンビニではブラックモンブランの特徴の一つである当たり棒交換システムが根付いていないせいか、これに関するクレームが多発し、取り扱いをやめてしまったらしい。

ブラックモンブランが東京で見当たらないワケ

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