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2011年7月23日 (土)

山田の小説。

道重さゆみがハワイまでの飛行機のお供に買って持って行ったという山田の小説こと、山田悠介の「BLACK」と「復讐したい」を買って、読んでみた。

この二冊は10周年を迎えた山田悠介が最近出したもので、本屋さんに行っても売り切れでなかなか買えないということだったのだが、その時いた場所の近くにあった小さな書店に行ったら「BLACK」の方が普通に売っていて、なんだ簡単に買えるじゃないかと思った。しかし、「復讐したい」の方を求めて新宿の少し大きめの書店何軒か回ったが、どこにも売っていなかった。あれはたまたまあっただけで、やはり人気で売り切れているのか。山田やるな。

ダメもとで自宅最寄駅前の新座書房に寄ったら、「復讐したい」が3冊もあった。より最近出たはずの「BLACK」の方はない。よく分からん。とりあえず、二冊とも買った。

しかし、「復讐したい」を入手した頃には、「BLACK」の方はすでに読み終えていたんだな。それぐらい簡単に読める。おそらく二時間もかかっていないと思う。値段も1000円とお手頃である。「復讐したい」の方は1200円だった。

山田悠介の小説は、以前、道重さゆみが「今夜もうさちゃんピース」か何かでお気に入りだと言っていた時に、一冊買って読んだことがある。タイトルは忘れたが、短篇小説集だった。何か理不尽なシチュエーションにおけるパニック状態のようなものを描いていて、なるほどこういうのが好きなのか、と思ったのだ。

「BLACK」は、現代の寓話というか、何か不思議な作品である。失意の少年とそれを励ますプロ野球選手という、いまやコントの設定としてもよく用いられるありきたりな設定をナメていたら、それからどこかの国の貧しい少年、病気の少女を見守るカラス、というふうに、まったく異なったストーリーが続き、それらが独立した短篇小説かと思いきや、じつは全部繋がっていたというもの。テーマは恩返しであり、また、作品を通じて、生命の大切さを説いているようにも思える。

「復讐したい」は、「BLACK」とはまた随分とテイストが異なった作品である。オウム真理教をモチーフにしたと思われるカルト教団や、確か実際にあったような気もする監禁事件から着想を得たと思われる登場人物などが出てきて、これは割と現実的な話しなのかと思いきや、設定は今から数年後となっている。

凶悪犯罪によって命を落とした被害者の家族などが、加害者に対して復讐することを選ぶことができるという法律が制定されているという設定である。裁判か復讐かを選択することができるのだ。しかし、この復讐には、ある限定された条件があり、最悪の場合には、この加害者が無罪放免となってしまうのだ。

ニュース番組などで、被害者の遺族のドキュメンタリーなどを放送していることがあるが、加害者が重い刑で裁かれたとしても、命を落とした被害者が生き返ることはなく、悔しさや憎しみはなくならな。ならば、いっそのこと加害者に復讐を果たしたい。このような思いは想像できなくもない。

妻を失った主人公は復讐を選ぶのだが、そこからはドキドキハラハラのエンターテインメント的描写となり、殺戮シーンも多々出てくる。

そして、最後の数ページのオチがメッセージとなっている。中学生の頃に読んでいた筒井康隆の風刺小説を思い出したりもした。

道重さゆみが演じるブリッコナルシストキャクターから時々垣間見える、心の闇が好きだ。山田悠介の他の本とかはほとんどちゃんと読んでいないのだが、今回、この二冊を読んで、道重さゆみがなぜに山田悠介の作品にこれほどまでに魅かれるのかということを推測した場合、それは、現実は理不尽で不公平なものではあるが、それでも生きることは素晴らしいというメッセージのようなものがあるからではないか、と思った。が、全くの見当はずれかもしれない。

ウィキペディアを読むと、山田悠介は、自分はドSであるため、主人公を追い込むようなものにしていってしまう、という発言をしているらしい。この辺りに魅かれているのではないか、という気もする。

以前、これも「今夜もうさちゃんピース」でだったと思うのだが、「復讐したい」同様に復讐をテーマにした湊かなえの「告白」という小説を愛読しているとも話していた。(正確には具体的な著者や作品名は明かしていないが、おそらくこれのことである)

道重さゆみはいつかの広島のコンサート会場において、ファンに対し、「死なないでください」というメッセージを贈った。また、人生は一回きりなので悔いのないように生きようというテーマを持ったモーニング娘。の「みかん」の詞に出会ったことを、その年の重大ニュースとして挙げている。道重さゆみの母は病弱であり、自分が果たして40歳まで生きられるかどうか、心配だったのだという。

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